遺物の管理と保存

遺物の管理と保存

62_marcado_ceramica.png

遺物の整理と保存

発掘期間終了時、優先事項のひとつは考古遺物を整理する方法です。発掘された遺物の適切な管理とメンテナンスも含まれます。過程を詳しく見てみましょう。

発掘中、人工遺物は―遺物の種類によって―プラスチック製か紙製の袋に入れられます。各ラベルには、発掘時のコンテクストに関する情報が書かれます。

59_Bolsas.jpg
考古遺物の入ったポリ袋(2016年発掘)

遺物が研究室に到着したら、次の工程として、袋を開け遺物を洗浄します。人工遺物や自然遺物は通常土に覆われた状態で、土壌マトリクスには、適切に処理されないと、遺物の保存に影響するかもしれない微生物や化学物質が混ざっている場合があります。洗浄が重要な理由です。骨や木といった遺物はとても脆く、適切な洗浄方法で個別処理が必要です。

61_secado_ceramica.png
2016年に発掘された動物の骨

洗浄方法は遺物の材質や保存条件によって異なります。異なるピットからの遺物の混合を防ぐため、一度に一袋のみ洗浄します。土器や黒曜石は、水で洗浄し、ブラシで磨いて余分な汚れを取り除きます。骨は通常乾かしてからブラシで洗いますが、保存状態によっては水で洗うこともあります。次に遺物を乾燥させますが、乾かし方も材質や保存条件によって異なります。例えば、土器片や黒曜石は耐久性があり、通常保存状態もよいので、太陽光で乾燥させます。しかし骨はより脆いので、室温で机の上で乾燥させます。

61_secado_ceramica.png
太陽光で乾燥される土器片(2015年発掘)

乾燥させた全ての遺物は、コンテクスト情報が決して失われないように袋の情報を注記します。次の写真では、研究所員が注記しています。一見すると単純な作業のようですが、忍耐とペン先・ペン軸の扱いに慣れていることの両方が求められます。また、ラベルを見やすくするためには、読みやすい字である必要があります。

ご覧のように、整理の過程は非常に骨が折れ、多くの時間とケアを必要とします。できるだけ早くこの過程に取りかかることが好ましいです。成し遂げるには、発掘期間後も地元作業員の参加が不可欠です。考古学者が研究所員を監督し、プロジェクト第1期では、多様な人工遺物や自然遺物が入った6000袋以上を扱いました。大半は土器片や石器片で、この地域には豊富にあります。遺物の入った各袋には1~約3000点の人工遺物が含まれました。これらの全遺物を整理するのに必要な時間を想像できますか?このプロジェクト中、整理の過程に約10ヶ月かかりました。つまり、第1期から遺物の整理に1600時間要したのです。

驚くべき仕事量だと思われても、まだ研究所の作業は終わっていません。適切な整理と保存を経て、各遺物の分析を行う研究者の到着に備えます。考古学者の仕事の大半を占めるのは、研究所内での遺物分析です。考古学者は発掘1年分の全遺物を調べるのに、少なくとも5年間が必要だと言われています。多くの専門家、考古学者、地元作業者の協力が求められる作業です。

プロジェクトで実施された分析方法について詳しくは、「調査ーフィールドワーク「分析」コーナーをご覧ください。.

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial