コンテクスト

コンテクスト

「コンテクスト」とは?

考古学では、コンテクストとは考古遺物に関わる全ての情報です。provenience(どこにあるか)、matrix(見つかった環境)、association(人工遺物、自然遺物、遺構群、遺物)なども含まれます。考古遺物を分析する際、コンテキストはとても重要です。分析と解釈を補完する追加情報を提供してくれるからです。以下に、ある遺物のコンテクストを記録する際に考慮すべきデータを示します。

l Provenience: 人工遺物、自然遺物、遺構群、遺物が発見された場所

l Matrix:発見された環境(例:砂、泥、石の充填物)

l Association: 人工遺物、自然遺物、遺構群、遺物の関係性

例として次の図について考えてみましょう。この器について何が言えるでしょう。

54_Cajete.png

環状台付碗, オレンジ色薄手式土器、ショラルパン期早期

そう、ショラルパン期早期に作られた、おそらく自家用の高台付きの碗と言えますね。

しかし、次のようなコンテクストで発見されたと言った場合、どうなるでしょうか。

55_CajeteEntierro.png
2015に発見された墓

このコンテクスト上の情報に基づいて、それが埋葬に伴う供物のひとつであり、祭祀的機能があると知った今、器はより豊かな解釈を与えてくれます。

あるいは、同じタイプの器が、部屋の燃えた場所付近にある壺、皿、鉢、椀のひとかたまりと並んで発見されたならば、大幅に異なるコンテクストから異なる解釈がなされるでしょう。

この例から、考古遺物のコンテクストは、「何のために使われたか?」「なぜそこにあったか」といった疑問に答え得ることがわかります。

考古学的解釈においてコンテクストが果たす重要な役割からは、盗掘による有害な影響がわかります。盗掘者は考古遺物を捜して遺跡を掘る際に、土を取り除きかき混ぜることで、層序の自然な状態は失われ、コンテクストは壊されます。盗掘された人工遺物に関するコンテクスト情報がないと、過去を再構築するのに役立つかもしれない豊富な情報が失われ、二度と復元できません。そのような場合、人工遺物そのものの客観的な特徴のみが残されるのです。

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial